雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

薄曇りの月食を比較明合成で撮ってみる

11月19日は月食だった。

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PENTAX K-1改, KOWA Prominar 500mm, F5.6, 1/250sec, 2分30秒間隔を6枚比較明合成

月食なら何回か見たことがあるし、今回は皆既月食ではない(皆既月食スレスレというのは逆に珍しいらしいのだけど)し平日だというのもあって、あまり興味はなかった。
なのだけど、中学生のムスメが「今度月食があるんでしょう?理科の先生が言っていた。」となんだか楽しそうに話すのを聞いて、にわかに写真でも撮ってみようかなと思い立った。
金曜日はちょうどそのムスメの三者面談に夕方僕が行く予定にしていたから、仕事はフレックスで切り上げるから、月食の時間はもう家にいる。

と言っても、ただ1枚撮るだけだと面白くない。(とその時はなぜかそう思った。後から考えるとそれはそれで面白かった気がする。)
なので、どうしようか考えているうちに、少しずつ動いている月を1枚にまとめた写真を撮ってみたくなった。(冒頭に掲載したようなやつです。)

こういう写真を撮るには、比較明合成という方法を使うことは知っていた。
比較明合成というのは、複数の写真の明るいところだけを合成する方法で、三脚で固定して間隔を開けて月を写すと1枚の写真に月の軌跡を写すことができる。
比較明合成は、カメラ内で写した順番そのままに合成する方法と、写した写真を後からPCで合成する方法がある。
今回、僕がやったのは、カメラ内で合成する方法だ。
PCで合成すると、そのままを写したというより、なんだか合成写真ぽい気がするという、少し偉そうな気持ちも無くはないのだけど、どちらかというと、後で処理するのが面倒くさいという、ずぼらな理由だ。

月単品の写真は何度か撮ったことがあるけれど、比較明合成を撮るのは初めてなので、前々日にテストをしてみた。

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PENTAX K-1改, D FA Macro 100mmF2.8, f/5.6, 1/400sec, 6分間隔を10枚比較明合成

100mmだとこんな感じ。6分間隔で10枚だから大体1時間で月はこれくらい動くらしい。

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PENTAX K-1改, KOWA Prominar500mm F5.6, 1/1250sec, 2分間隔

続いて500mmでチャレンジ。まずは2分間隔でやってみたら、おっと失敗。月がくっついてしまった。

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PENTAX K-1改, KOWA Prominar500mm F5.6, 1/1250sec, 3分間隔を5枚比較明合成

3分間隔だとこれくらいに写る。大体15分で500mmの画角分動くようだ。
とこんな感じで練習して、あとはいざ、本番を待つ。

準備万端!だったのだけれど、埼玉近辺に住んでいる天文ファンはご存じの通り、月食の日は薄曇り…。

それでも雲を通して、赤銅色の月が見えている。レンズを向けると、一応写っているので、比較明合成も撮ってみた。

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PENTAX K-1改, KOWA Prominar 500mm F5.6, 1/2sec, 2分30秒間隔を5枚比較明合成

雲が…。3枚目なんてほとんど写っていない…。
カメラも横でなく、縦にしたかった…。テストのときはもっと月の位置が高かったから、動き方も違ったんだな、と今さら気づく。
なのだけど、この後、また雲が濃くなってきたのでいったん断念。

しばらくして、外に出てみたら、また月が見えていたので、撮影したのが冒頭の1枚。
この写真も所々雲をかぶっているけれど、まあ月が段々と地球の影から出てくる様子は分かるので、自分なりには楽しかった。

初めての月食比較明合成写真は、やや悔しい結果だったけれど、逆に今度月食があったら撮ってやろうと妙な意欲が湧いてしまった。
最初は月食なんて何回も見たし、とか思っていたのだけど…。やってみたいことが増えるのは何だか楽しい。