雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

【子連れ登山記1】富士山の見えなかった石割山

最近なかなか山へ行けていない。
子どもも3人いれば、それは予定もなかなか合わないし、夫婦共働きでお互い忙しいのは分かっているから、休みの日に僕だけ「ちょっと山へ行ってくるね」とはなかなか言えない。(妻も山に登る。)
せめて1人くらい、子どもを連れて行かないと、さすがに家に居場所がなくなってしまう。

できれば一番下の、やんちゃ坊主の保育園児を連れていければ、僕は楽しめるし、妻は休めるので良いのだけど、この少年「ママが一緒じゃないとやだ」と言って、なかなか一緒に行ってくれない。

そこで、ようやく一番上の子を除いた4人の予定がそろって空いた春休みの日曜日、山へ行くことにした。

目的は2つ。
1.一番下の子に「山登りって楽しい」と思ってもらい、
2.あわよくば、次回からパパと2人でも山に行けるようになってもらう。

【データ】

<目的地>石割山
<日付>2022年3月下旬
<子ども>小学5年生と5歳
<ルート>石割神社駐車場→石割神社→石割山→平尾山分岐→石割神社駐車場
<難易度>坂道を長時間歩ければ

 

今回選んだのは山中湖の北側にある石割山。手軽に登れて、頂上からの富士山の眺めが良いのだそうだ。

コースタイムもそれほど長くないので、あまり無理せずゆっくり目に家を出発。埼玉では薄日が差していた空も、高速道路を移動する間に段々と雲が厚みを増し、登山口に着いた頃にはすっかり曇り空だった。

お昼前に着いた登山口の駐車場はすっかり埋まっていて、路肩に縦列駐車が連なっていた。

登山口は駐車場の横の鳥居からスタート。鳥居から見上げると、杉木立の中を長い長い石段が上までずっと続いている。
大人はこれを見てややげんなりだけど、一番下の子は張り切って登り始めた。

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長い石段。ここを登る。

石段を3分の2くらい登ったところで、一休みできるスペースがある。

そこで一休みしてから出発。5歳男子は元気に上まで登る。小学5年生の娘と、母親はやや遅れてついてくる。

石段を登り切ると稜線で、少し平らになる。
しばらく歩くと、石割神社に到着。

石割神社の御神体は真2つに割れた大きな岩。この割れ目を通り抜けることができる。
下の子はザックそのままで通り抜け、僕はザックを手に持ち、横歩きでどうにか通り抜ける。

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石割神社を過ぎる辺りから少し笹薮が高くなる。
どんよりと曇っていた空から雲がどんどん下りてきて、周りはすっかり霧で見えなくなってしまった。
しばしば人とすれ違う道なので、新型コロナを気にするとマスクは外せない。そうするとメガネが曇る、ほとんど何も見えなくなる。
湿度は高く、足元もぬかるんでいて滑る。あまり快適とは言えない山歩きだ。

ようやく着いた頂上は周りは霧で、やっぱり何も見えない。

晴れていた時の写真が案内板に写っていて、ネットで見た通り、富士山が良く見えるようだ。けれど今は全く見えない。

雲の中で昼ご飯を食べ、出発。

下山は登りとは違うルートを通る。まずは平尾山へ向かう。
こちらの道もぬかるんでいて、しかも下りだからよく滑る。
メガネも曇るし、正直かなり不快な山歩きだ。

スタート地点の駐車場に戻るには、平尾山の手前で道が分かれる。平尾山は多分、分岐点からすぐらしいのだけれど、どうせ雲の中で何も見えないのは、目に見えている。
家族で相談し、満場一致で立ち寄らず下りることにした。

霧に包まれた笹薮の中の道。幻想的と言えば幻想的と言えなくもない。

しばらく行くと分岐点。案内板には左に折れると「トイレ(冬季閉鎖)」と書いてあった。
行きたいのはトイレじゃなくて、神社の下の駐車場だよなと思い、一瞬、通り過ぎそうになるけれど、思い出してみると駐車場の横にはトイレがあり、出がけにそこのトイレを利用していた。
距離的にはそろそろ谷筋に下りる頃だし、わざわざ登山道から外れたところにトイレを作ることもないだろう。
そう考えて、案内板に「トイレ」と書かれた方へ下りていくと、やっぱり10分ほどで元の駐車場に戻った。ちょっと分かりにくい案内板だ。

天気が悪く景色は見られず、足元もドロドロであまり快適とは言えない登山になってしまい、あまり気の進まなかった子どもたちを無理に連れてきて山嫌いにしてしまったのではないかと、やや不安だったけれど、帰りの車の中で、5歳の少年は「また山へ行こうね」と言ってくれた。

どうやら目的は達成できたようだ。