雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

【山歩写真】杓子平カールの眺めと山頂の夕景夜景・北アルプス笠ヶ岳①

夏休みを利用して、3年ぶりに北アルプスを訪ねた。
登ったのは笠ヶ岳、ルートは新穂高温泉からの笠新道往復だ。
笠新道は新穂高温泉から笠ヶ岳の最短ルートだけれど、その分、短距離で高低差約1350mを登り下りする急坂のルート。

僕にとってはきついルートだったけれど、途中、杓子平の眺めは、氷河の痕跡のカール地形で、夏の北アルプスらしい爽快さを味わえる。

杓子平カールの眺め:PENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4 Limited, f/16, +0.3EV
【データ】
<日付>2022年8月中旬
<ルート>
(1日目)新穂高温泉-わさび平小屋(1時間30分)
(2日目)わさび平小屋(5時間)杓子平(4時間10分)笠ヶ岳山荘(15分)笠ヶ岳山頂(10分)笠ヶ岳山荘
(3日目)笠ヶ岳山荘(2時間30分)杓子平(4時間50分)新穂高温泉
※標準的なコースタイムよりかなり遅いです。

1.笠新道

笠新道の登りは見通しの利かない樹林帯の登りから始まる。
急な斜面をつづら折りで登る道なのだが、途中に目印になるようなものがなく、延々と森の中を登っていくのが厳しい。

木々の間から時々見える左俣谷対岸の中崎尾根や、焼岳と高さを比べながら、さっきまで高く見えていたのが、大体同じくらいの高さになったな、とか、中崎尾根と同じくらいの高さだから1800mくらいかなとか、そうした考えを励みに登るけれど、そんな想像は大体希望的観測で、登りはまた延々と続いて行く。

それでも地道に登り続ければ標高は少しずつ上がっていく。

やがて森が開けると、急斜面に高山植物の花畑が現れる。

イブキトラノオPENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4 Limited, f/5.6

ハクサンチドリ:PENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4Limited, f/22

2.杓子平

花畑を登り切り、灌木の茂る尾根を越えると、突然、視界が開ける。杓子平だ。

杓子平・視界が開ける:PENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4, f/18

目指す笠ヶ岳も姿を現す。
下の写真の左側のピーク、端正な三角形が笠ヶ岳だ。どこから見ても、昔の人が頭に被っていた笠の形に見える。

巻雲と笠ヶ岳の稜線:PENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4, f/7.1, カスタムイメージ:夏天

今回は新しく買った21mmのレンズと、新しくリリースされたカスタムイメージ(写真の色を調整する機能)の夏天を試してみようと思っていて、上の写真ではその夏天を使ってみた。
空を大きく取ると、夏山らしいくっきりとした色でいい感じだ。

登山道はしばらく等高線上を平坦に通り、カールの底へ向かう。
そのままなだらかに行くのかなと油断した頃、カールの壁に向かって登りが始まる。

杓子平カール上部から笠ヶ岳PENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4 Limited, f/16, +0.3EV

草原の中、岩が帯状に連なっているのは、かつて氷河のあった時代、氷河の末端に堆積した岩(モレーン)なのだろう。

振り返ると、カールのふちの尾根の向こう側に穂高連峰が見える。

カールのふちと穂高岳PENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4 Limited, f/16, +0.3EV

あの尾根の向こう側は蒲田川の左俣に向かって切れ落ちるV字谷、こちら側は氷河の痕跡のU字谷だ。

杓子平に着いた時、これできつい登りは終わりだとやや安心していたのだけれど、このカール壁の登りもきつかった。
晴天で水分の補給量も増えて、2リットル持っていた水はこの時点で残り4分の1ほどまで減ってしまっていた。
夏の晴天で1日行動する時は2リットルでは足りないかもしれない。

ようやく稜線にたどり着き笠ヶ岳を見ると山頂付近は雲に覆われてしまっていた。

笠ヶ岳への稜線:PENTAX K-1 Mark II, HD D FA21mm F2.4 Limited, f/16

②へ続く。

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