雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

5歳少年をつれて雨のきかんしゃトーマス

静岡県大井川鉄道には、きかんしゃトーマスが走っている。
おもちゃではない。煙を上げて走る本物のSLだ。

半年くらい前にそのことを知って以来、うちの5歳の息子を小学生になって大人ぶったりするようになる前に、ぜひ連れて行きたいと思っていた。
そこで9月の3連休に、埼玉から日帰りで乗りに出かけた。

大井川鉄道は元々SLを走らせたり、アプト式が走っていたり、鉄道好きには知られた存在だったけれど、数年前から本物のSLをきかんしゃトーマスに改装して、期間限定で走らせているようだ。

きかんしゃトーマスは午前中、大井川下流の新金谷から上流の千頭に向かって走り、午後、帰ってくる。僕たち家族が予約したのは午後の戻り便。行きは大井川鉄道の普通電車で千頭へ行く。

この電車がまた、味わい深い。

かつて南海を走っていた電車なのだそうだ。

年季の入った転換クロスシート。ちゃんと動く。

雨で薄暗かったせいもあってか、レトロな内装のパーツ1つ1つが重ねた年月を語りかけてくる。元々の作りもしっかりしているのだろう。

千頭駅に着くと、トーマスだ!!

手前からトーマス、ジェームス、ヒロ、パーシーと4台並んでいる。みんな本物のSLだ。

僕たちの乗った普通電車が千頭駅に着いてすぐ、トーマスは転車台に向かって行った。その写真を撮りたくてつい追いかける僕、それを「パパー」と追いかける息子。結局、父親が一番興奮している…。

千頭駅構内を走るトーマスの流し撮りにチャレンジ。
奥に見えるオレンジ色の客車をトーマスが引っ張る。

いよいよ乗車。この客車も年季が入っている。旧国鉄の車両なのだそうだ。
扉は手動。走っている時は金具で留めている。

本当に網でできた網棚。支える金具が鈍く光る。

僕たちの乗ったのは6号車。大井川鉄道のホームページを見ると先頭車両保障のプランが売り出されていたくらいだから、多分、先頭車両が人気なのだろうけど、後ろの方には後ろの方の楽しみがある。

カーブでは頑張っているトーマスが見える。
この写真は川根温泉近くの大井川を渡る鉄橋のところだ。

子どもは「いつトーマスは(ソドー島に)帰るの?」と聞いてきて、狙った通りの素直な反応をしてくれた。「テレビの中とは少し違うんだよ」とごまかすような返事をする大人の僕は、子どものそんなかわいらしい反応を見たくて、少しだけ騙している。

トーマス号は1時間ほどで新金谷駅に到着。

ここでも構内を走るトーマスを流し撮り
千頭駅の方が背景が緑の山できれいかもしれない。

こんな感じで楽しんだ帰り道、静岡から乗ったこだま号が品川に着く直前、車内の電光掲示板に「東海道新幹線は大雨のため豊橋三河安城間で運転見合わせ」という情報が目に入った。
「一部区間でも運転見合わせになると線路がつまって、東京駅まで行けなくなるかもしれないね」などと話していたら、やはり品川で運転を見合わせ。品川から乗り換えて埼玉に帰った。

帰宅後、調べてみると、僕たちの乗った次のひかり号は新横浜駅で動けなくなっていて、品川まで来られたのはとても運が良かったようだった。

そして、大井川鉄道のホームページを見ると、その夜は大雨のため、時間を早めて運転終了。
翌日、見てみると土砂崩れのため当面運転を見合わせ、となっていた。
その後、今日に至るまで10日ほど、大井川鉄道はまだ復旧していない。

トーマス号がとても楽しかっただけに、早く復旧してほしいと心から思う。