雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

【子連れ登山記5】秋と冬のあわい四阿山で霧氷トレッキング

10月末の日曜日、群馬の嬬恋と長野の菅平の間にある四阿山に出かけた。
少し遅めとは言え10月だったので気分は秋山で紅葉狩りだったけれど、パルコール嬬恋のゴンドラで標高2000mまで登ると、木々の枝先は霧氷で白くなっていて、冬の装いだった。
麓は秋、山の上は冬の入口、2つの季節のあわいを、小6の娘と霧氷トレッキングした。

【データ】
<日付>2022年10月下旬
<ルート>パルコール嬬恋ゴンドラ山頂ー四阿山山頂(往復)
<時間>登り1時間45分、下り1時間30分
<メンバー>6年生の娘とその友だちとその親と自分
<難易度>
 山頂直下に短い鎖場あるが三点支持で登れれば小学校低学年でも可
<注意点>
 霧氷時期は降雪のおそれあるため、天候悪化時はすぐに引き返すつもりで

1.今回はゴンドラ利用の楽々登山

 今回の山登りは僕と小6の娘とその保育園時代の友だち、そしてそのお父さんの4人。春に荒船山に行って以来のメンバーだ。
 この子たちのお姉ちゃん同士が保育園で同じクラスだった頃からの付き合いだけれど、妹2人も来年は中学生。忙しい部活に入ってしまったら、なかなか遊んでくれなくなりそうだし、実際お姉ちゃんたちは中学生になると山に行ってくれなくなったから今年はもう少し一緒に登りたかったのだけど、夏休み前にうちの子が足の指を骨折し治るのを待っていたら季節はもう秋になってしまっていた。

 今回はあちらのお父さんに車を出してもらい、4人で出かける。

 登山口のパルコール嬬恋に向かう山の麓の道は紅葉が眩しい秋晴れ。秋山を満喫できそうな一日の始まりだ。パルコール嬬恋で車を下りると、関東の平野と違って山裾はやはり肌寒い。長袖シャツの上に雨具やパーカーを羽織る。

 パルコール嬬恋のゴンドラは丁度10月末で一旦終了して、スキーシーズンの準備に入る。その直前の時期に利用する。

 長いゴンドラに揺られて登って行くと、空は段々と曇っていった。山の上には雲がかかってしまっている。今回はゴンドラで2000mくらいまで連れて行ってもらって、登るのは残りの300mほど。お手軽登山だ。

2.秋と冬のあわいの霧氷トレッキング

 歩き始めはスキー場のゲレンデから。ゴンドラを下りて少し行くと、まだ雪のないゲレンデの横の木々が真っ白に霧氷を付けていた。どおりで寒いはずだ。

 道が森に入ると、霧氷の着いている場所と着いていない場所がある。多分風向きとか温度とかに因るのだろう。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA43mm F1.9, f/2.8

 霧氷はケーキの上に振ったパウダーシュガーのようだ。木の根元の苔の上にも振りかかる。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA43mm F1.9, f/2.8

 針葉樹はクリスマスツリーのよう。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA43mm F1.9, f/2.8

 場所によってはもうすっかり冬の装いになっている。霧氷を着ける風の通り道にでもなっているのだろうか。この日は曇り空だけれど、風はなく穏やかだった。

 高低差のない山道を歩く。山頂が近づくにつれ、時々木が切れて遠くの見える場所が現れる。

3.頂上の岩場と展望

 このルートはほとんど平らな道だけれど、頂上周辺のみ、ちょっとした岩場になっていて、鎖も付いている。とは言え、大人ならば、鎖は使わずに登り下りできるし、下りも前向きで下りられるくらいだ。小学校低学年でも、三点支持を守れれば問題ないと思う。

 四阿山は穏やかな山のイメージだったけれど、山頂周辺は岩場になっているくらいなので、両側が思いがけないくらい切れ落ちている。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA43mm F1.9, f/5.6, +0.3EV

 ゴンドラを下りてから1時間45分ほどで山頂に到着。頂上には小さな祠がある。

 晴れていれば展望雄大なのだろうけれど、長野県側はすっかり雲に覆われている。群馬県側も嬬恋の高原は晴れているけれど、正面に見える浅間山はずっと雲の中、こちら四阿山の山頂も日は当たらない。
 浅間隠山やその向こうの榛名山赤城山、日光連山は見えている。きっと関東平野は紅葉日和だろう。

裾野は紅葉で晴れていそうだけれど、山の上は曇り空だ

 

 日は当たらないもののこの日は風もなく、辺りが霧氷に覆われている割には暖かな昼だった。小一時間、頂上に滞在して昼ごはんを食べる。

4.下山ものんびりと

 帰りも元来た道を戻る。反対から見ると丁度山の半分に霧氷が着いていて、秋と冬の境界線のようで面白い。冬がどこまで来ているかと誰かに聞かれたら、この山の稜線までと答えよう。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA43mm F1.9, f/8.0

 ゆるやかな登山道を下りるにつれて、時々日が差すようになってきた。青空の下で霧氷が白く輝く。ここだけ見ると季節はもう冬だ。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA43mm F1.9, f/5.6

 子どもたちは、「バナナと言えば黄色」のように連想をつなげていく、マジカルバナナの遊びをしながら歩いていた。ゴンドラ駅近くで行き詰まったところで、初めから辿り直してみたら、子どもたちは最初から最後まで、辿り直すことができた。人間の記憶力はなかなか大したものだ。

 小学校を卒業するまでに、あと2回くらい、このメンバーで山に行けたらいいなと思う。

 あちらのお父さんには、来年は子ども抜きで行きませんかとも誘った。
 時の流れでそういう組み合わせになるのも悪くないと思う。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA43mm F1.9, f/5.6