雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

うさぎ年の初めは月のうさぎを眺めて過ごす

月が明るいと星があまり見えない。
今年の正月休みは丁度月の明るくなる時期にあたってしまい、折角の長い休みなのに、初日に星を見に行ったきり、後は見に行かなかった。

そこで何をしていたかというと、自宅のベランダから月の写真を撮っていた。
折しも今年はうさぎ年。うさぎ年の初めに月のうさぎを眺めて過ごすのも乙なものではないか、なんて思いつつ。

関東地方の正月は晴天が続くことが多い。
正月休みが明けてからも在宅勤務にしたため、結局12月31日から1月7日まで、曇っていた1月6日を除いて毎晩、月の写真を撮った。

写真を並べるとこんな感じ。

なんだか小学生の自由研究ぽい…。

でも、まあ、並べて見てみると、月のうさぎは上半身から現れてくるのだな、ということが分かる。こうして自分で写真を並べてみるまでは、あまり考えたこともなかったことだから、自分的には発見と言えば発見している。

並べてみて気づいたのが、毎日それなりにきれいに撮れていたつもりだったのだけれど、ピントが合っている日(というか晩というか)と合っていない日があったこと。ピント合わせはもっと丁寧にやらないといけないものらしい。

ということで、比較的、良く写っていた晩の写真を拡大して並べてみる。
最初は月齢7.7の12月31日。下の方はクレーターが、たくさん並んでいる。

次の写真は2日後の1月2日、月齢9.7の写真。
12月31日に目立っていた画面下の方のクレーターが、ほとんど見えなくなっている。
太陽の光が上の方から当たると、影が短くなって見えにくくなるようだ。

逆に2日前には見えていなかったコペルニクスとティコのクレーターが見え始めている。2つのクレーターはこの2日の間に夜明けを迎えたことになる。

月のクレーターは人の名前が付けられている。コペルニクスは天動説を唱えた天文学者。ティコ・ブラーエは、その後の天文学に資する精緻な天体観測を行った天文学者だけれど、地球を宇宙の中心に据えるモデルを考えていたのだそう。

1月5日、月齢12.7になると、ケプラーアリスタルコスが現れる。

ケプラーケプラーの法則で惑星の運動を説明し、天動説の優位を決定づけたのだそう。ティコ・ブラーエの助手をしており、その観測データを使ったのだそうだ。
アリスタルコスは古代ギリシャ太陽中心説を唱えた人なのだそうだ。

目立つクレーターにつけられた人名を追うと、天文学の歩みをなぞることができる。
何だか粋な演出だ。

ちなみに月の直径は3476kmで地球のおよそ4分の1なのだそう。
3476kmに円周率3.14をかけると、月の赤道(というのだろうか?)の1周の長さはおよそ10900㎞ということになる。
月は大体30日で満月から満月になるから、月から見ると太陽が1周する月の1日は、地球で言う30日ということになる。

となると、月の赤道10900kmで太陽は、10900km/30日×24時間で大体時速15kmくらいで動く計算になる。時速15kmというと少し早めに自転車をこぐくらいだろうか。

月の赤道では少し早めに自転車をこげば、夕日をずっと追いかけられるということになる。

地球の赤道で夕日を追いかけようとすると40000km/24時間だから時速1700kmくらいで追いかけなければいけない。

月から地球を眺めると、地球はずいぶんせわしなく回っているように見えるのかもしれない。

年が明けてからもう1か月過ぎて、次の満月ももう明日というタイミングに、今さらな感じがしないでもないけれど、今年の正月そんなことを想像しながら過ごした。