2月の上旬、奥武蔵の石尊山と官ノ倉山へ出かけた。
6歳になったばかりの子どもを連れて、最近疲れ気味の大人たちも手軽に行けそうな山ということで選んだ標高300mほどの低い山だけれど、ちょっとした鎖場あり、頂上からの展望も開け、山登りの魅力をコンパクトに楽しめる山だった。
【データ】
<日付>2023年2月上旬
<ルート>小川町笠原駐車場ー石尊山ー官ノ倉山(往復)
<時間>駐車場(1時間)石尊山(30分)官ノ倉山(1時間)駐車場
<メンバー>6歳男子と小学6年生女子と妻と自分
<難易度>
石尊山直下に短い鎖場あるが三点支持ができれば可
1.杉木立の道を石尊山へ
今回の山歩きの目的は、6歳男子を連れて山に行くこと。
うちの6歳男子は家ではいつも「どりゃぁー」とか「うおぉ」とか言いながら暴れていて元気が余っている感じなのだけど、僕が山へ行こうと誘っても「ママと一緒じゃなきゃ嫌だ」と何だか頼りないことを言う。
そこで普段疲れ気味の妻が比較的疲れていなさそうだった日曜日、まずはあまり大変そうでない山に連れ出すことにした。
石尊山・官ノ倉山は、東武東上線の東武竹沢駅、またはJR八高線の竹沢駅からもそれほど遠くない。けれど今回は、疲れ気味な大人たちの体力を鑑みて、登山口の駐車場まで車で出かけた。
上の子たちにも声をかけると、小学6年生の姉がついてくることになった。
登山口は小川町笠原の駐車場。立派なトイレもある。
駐車場から川の上流に向かって少し歩くと、丁字路を左側に折れ、山道に入っていく。
麓の道は関東地方の里山にはよくある杉木立の道。2月初めは花粉症の娘もまだ大丈夫なようだ。
道の両脇にはこれまた杉木立の道ではよく見かけるシダが茂っている。
シダの葉は光の当たり方で、こっちのシダと隣のシダの葉の色が違う色をしているように見えることがある。そんな様子を見ると、つい歩みを止めて写真を撮りたくなる。
やがて林道も終わり、細い登山道になると、少しずつ傾斜が増してくる。
石尊山には鎖場もある。
大人ならば鎖を使わないでも行けそうな場所だけれど、まだ右と左もやや覚束ない6歳男子は、初めての鎖場で「まず右手を動かして」と言われて左手を動かしたりしながら、苦労して登っていた。
300mちょっとの山だけれど、頂上の近くは、杉木立でなく落葉樹になっていて、雰囲気が変わる。
2.石尊山の頂上からの眺め
石尊山の頂上付近は、岩がちなせいだろうか、木々が途切れていて、周囲の展望が開けている。まず目を引いたのは北側の景色だ。
榛名山と赤城山の間、上越国境の山並みが白くきれいに見えている。
スキー場も多い上越国境の山は2月初めのこの時期、ほとんど毎日雪が降っているイメージがある。けれど、この日は見事に姿を現していた。
写真を拡大して、山の名前を記してみた。
谷川岳から仙ノ倉山にかけての山並みは白い壁のように、日本海側と太平洋側を分け隔てている。榛名山の後に見えているのは苗場山あたり、だと思う。
続いて北東の景色。
赤城山から日光連山の山並みが見える。
こちらも拡大して山名を記してみた。
日光白根山がひと際白く高く目立っている。男体山は離れた場所から見ても大きく立派だ。
思いがけなく見えて嬉しくなったのが、日光白根山と赤城山の間に見える燧ケ岳だ。特徴的な双耳峰の姿から、もしかしてと思い地図を見るとやはりこの方向に見えるらしい。
そして南には東京スカイツリーも見えた。
木の枝と重なって分かりにくいけれど、歩きながら見ると手前の木の枝と位置がずれるので、遠くにある東京スカイツリーだと分かる。周囲のビルと比べて群を抜いて高い。
展望を楽しみながら、持ってきた弁当を食べてのんびりと過ごす。
3.官ノ倉山を往復し下山
石尊山から官ノ倉山へは一度急な坂を下って、また登り返す。
官ノ倉山も頂上付近は木を伐っていて展望が広がる。
とは言え官ノ倉山は石尊山よりやや奥まったところにあるため、直接関東平野を見渡す石尊山の方が展望は良いような気がするし、気分的にも石尊山で展望を満喫してから来ているので、やや食傷気味だったりもする。
陽だまりのベンチで一休みし、下山する。
今回、車で来ているので、下山は元来た道を引き返す。
下山も6歳男子が岩場でやや苦労しつつも無事下山。
振り返ると、冬の短い日はもうやや赤みを帯びて、杉木立の森に差し込んでいた。
久しぶりの山登り、300mほどの低い山、近場で短時間だったけれど、やっぱりこういう時間はいいなあと思う。
1日遊ぶこと。夕方にその時間を名残惜しむこと。
子どもの頃のような時間。そんな時間を子どもと過ごせること。幸せな時間だ。