日光の男体山は中禅寺湖の隣にどっしりと構えている。
以前1人で登った時も大変だった記憶があったけれど、今回、子連れで登り、改めてその大きさを実感した。
パパはバテる、子どもは指をはさむ、子どもの靴は底がめくれる、とトラブル続きの山登りの記録。

【データ】
<メンバー>小学3年生息子、娘の友だちのお父さん
<日付>2025年6月下旬
<ルート・所要時間>
二荒山神社(40分)三合目(35分)四合目(35分)五合目(1時間)七合目避難小屋(55分)八合目瀧尾神社(1時間)男体山頂上(1時間45分)七合目(55分)五合目(1時間30分)二荒山神社
<その他>小学校3年生(と運動不足の父親)には、体力的にやや大変。子連れの場合、小学校高学年以上が望ましいと思う。
1.中禅寺湖を眼下にひたすら登る
登山口は中禅寺湖畔の二荒山神社。神社の境内通って登山道に入る。
山の反対側から登るルートもあるけれど、交通の便を考えるとほとんどの登山者は二荒山神社からの往復を通っているのではないかと思う。
男体山は二荒山神社の御神体山なのだそうで、登拝料を神社に納め、お守りをもらって登山道へ向かう。

登山道は長い石段登りから始まる。小さなお堂や東屋の横を抜けると、土の登山道が始まる。
ダケカンバだろうか明るい色の木肌の森を、ハルゼミの声に包まれながら登る。
見た目はさわやかなのだけれど、傾斜は初めから急だ。

40分ほど登ると三合目に着く。三合目から四合目の間は林道の車道歩きになる。一般車は入れないのだろう、往復の途中1台も車は見かけなかった。
30分ほど車道を歩くと、四合目の鳥居が現れ、再び登山道に入る。

車道歩きの辺りから、木々のすき間から中禅寺湖が時々見えるようになる。
ふり返って湖を眺めると、その遠くに富士山も見えた。絶好の晴天だ。


登るにつれて登山道は急になっていく。七合目の下あたりからは岩が露出した道が続く。岩は手がかりが多く安定しているので、気象条件によるかもしれないけれど、晴れていればむしろ登りやすいくらいだ。

五合目と七合目には避難小屋があり、八合目には瀧尾神社という小さな社がある。

昼食を挟んで八合目には12時ころ到着。登山口から4時間くらいかかっている。
地図上のコースタイムは頂上まで3時間半なので、この時点でだいぶ遅れている。
とは言え、天気は持ちそうだし、この日は丁度夏至で日は長い。車で来ているので、帰りの交通手段も問題ない。日没までに下りられれば良いと考え、そのまま登ることにした。
八合目から九合目にかけては、森の中を登る。
九合目を過ぎて少し行くと、いかにも火山礫風な穴だらけの赤い石が散らばる頂上部に出て森林限界を超え大展望が広がる。

八合目から1時間ほどで頂上に到着。ひたすら登る長い道だった。
2.山頂にて
中禅寺湖の隣には、水面のように平らな戦場ヶ原の緑が続き、その奥に日光白根山が座っている。谷には雪のような白い筋がまだ残っている。

北へ目を向けると谷を隔てた隣に太郎山。日光白根山と太郎山の間の遠くには2つの尖った頂を見せる燧ケ岳が目立つ。その右に見える雪を残した山は会津駒ケ岳だろうか。

広い山頂部には色々な物がある。お堂はもちろん、神様の銅像。

鐘。

そして岩の上にささっている剣は、今回同行した息子の姉たちを連れて山に登っていた頃からのつきあいの娘の友だちのお父さんが見てみたいと言っていたもの。
そんな色々な物を建てたり置いたりできるくらい、登山道の急斜面とはうって変わって山頂は広々としている。
あちこちで写真を撮りにふらふらしていると、突然、息子が「痛い」と言った。
何事かと近寄ると、地面に転がる石を「ケルン」と言って積み上げて遊んでいて、指を挟んでしまったようだ。
さらに加えて、靴を見ると左足の前側の靴底がはがれてきている。
よりにもよって登山口から一番遠い山頂でこんなことが起こるとは、不安が募る。
3.長い下山に父バテる
子どもの靴にはとりあえず、手元にあったテントのリペアテープを貼って下山を始めた。随分昔、学生時代にテント泊をしていた頃に買ったものだから、かれこれ20年以上使っていなかったもの…。粘着力がまだ残っていたのが素晴らしい。
歩き始めて1時間ほど、八合目に着くと残念ながらテープはちぎれてしまった。
そこで今度は靴紐の足首側を外し、靴底のはがれているつま先に回して固定してみると、今度は登山口まで、無事、ちぎれずに固定することができた。
靴紐の予備があれば、こういう時に役立ちそうだ。と思い、下山後、早速買い足した。
昔は靴紐の予備も入れていたはずなのだけど、そう言えば、これまた20年以上前、学生時代にパーティーの誰かの靴紐が切れて、渡してあげてから補充していなかったような気がする…。
五合目まで下りてくると、今度は僕がバテた。
どうやら、子どもに気を回しすぎて、自分の体調に気が付かなかったようだ。
この日は朝早かったこともあって、昼食に用意したのはパンだった。食べた時はそこそこお腹が膨れた感覚だったのだけれど、やはり米の方が腹持ちがいい。
持ってきた羊羹を食べようかと思うのだけれど、想像してもどうも食欲が湧かない。
五合目の避難小屋の横であおむけになって、息を整える。
しばらく休んで、どうやら動けそうになってきたので、ゆっくり先へ進んだ。
そう言えば、飴玉の材料はほとんど水あめだったなと思い出し、持っていた生梅飴を次々になめながら歩いていると、5個くらいなめたところで、体力が戻ってきたのを感じた。
生梅飴、素晴らしい。
山頂から4時間半ほどかけて、午後6時前にようやく下山。コースタイムは2時間20分だから、倍近く時間がかかった。

思えば、今回、底のはがれた靴は、10歳上のお姉ちゃんが小学校に入った頃に買ったものなので、姉弟3人でかれこれ10年以上履き継いできた。靴底がはがれてもおかしくない。
山の上で靴底がはがれた時は冷や汗をかいたけれど、靴についたたくさんの傷を見ると、今までたくさんの思い出を一緒に過ごしてきたなと思う。
<今回の教訓>
・バテた時は飴玉が有効。
・替えの靴紐は底がはがれた時の応急処置にも使えそう