雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

【子連れ登山記3】奥武蔵・棒ノ嶺(棒ノ折山)、白谷沢コース

白谷沢コースは一般の登山道としては珍しい沢沿いのコース。
水しぶき上げる沢のすぐ隣を、何度も川を渡りながら登っていくルートは、初夏の季節、本当に気持ちいい。

このルートを行くのは2回目。前回は頂上まで行ったけれど、今回はちょっと失敗してしまい、途中で引き返した。子連れ登山は思うようにはいかないなという、そんな話。

【データ】
<日付>2022年5月上旬
<ルート>
<メンバー>5歳と小学6年生、僕と妻
<難易度>
 三点支持で登れること
 防水性のある靴で登ること

1.前回登った時の思い出

このルートを前回登ったのは7年前の2015年。当時、小学3年生だった上の娘とその友だち、その父親の4人で登った。写真のデータを見るとやはりゴールデンウィークに登っていた。
その時は、沢沿いのルートと新緑がきれいだったこと、岩場の通過で適度な緊張感があって楽しかったこと、頂上付近に野ばらや桜が咲いていたことが、印象に残っている。今回はその時行っていない家族を連れて、楽しかった思い出を再現しようという魂胆だ。

2.登山口から針葉樹の道

登山口は、埼玉県飯能市の名栗湖(有馬ダム)。ゴールデンウィークということもあって駐車場はほぼ満杯。駐車場に着くまでにも、バス停から歩いてくる登山者がたくさんいた。

登山口からしばらくは、針葉樹の斜面の狭い道が続く。
まず、しまった、と思ったのがここで、登山者の集中する時間はかなり混雑していて、5歳児を連れていると、頻繁に後続の人の道をふさぐことになってしまった。
道をゆずろうと思っても、なかなかゆずれる場所がない。他の登山者の皆さんもニコニコしながら抜かしていってくれたけれど、ちょっと失敗。
ゴールデンウィークのような人が集中する時期、子連れ登山するなら、できるだけ人の少なさそうな山を選ぶべきだったかもしれない。前回は子どもが3年生だったから、もっとスムーズに歩けていて気にならなかったのだろう。
あるいは、前回登った時よりも人が増えている気もしないでもない。

3.沢筋の道

横から合流する小さな流れや枯れ沢をいくつか越え、やがて道は沢と同じ高さになり、ここからいよいよ沢のルートが始まる。

小さい渡渉を繰り返して登っていくのだけれど、2回目くらいに沢を横切る時、それは起こった。
大きめの岩をよけながら浅い流れに登山靴を浸して進み、後ろに続く5歳児を抱えようと振り返ったその瞬間、待ちきれなかった子どもが勢いよく、バシャーンと音を立てて、水の中に踏み込んだ。
防水性のある登山靴でなく、ただの運動靴なのに…。

おかげで子どもの靴の中は靴下までびしょ濡れ。
パパの靴は水の中に入っても濡れないけれど、運動靴は濡れるから水の中に入っちゃダメだよ、と言い聞かせておくんだった。と思っても、後の祭りだ。

びしょ濡れの足のまま歩かせるのも心配だったけれど、本人はまだ登る気だったので、この時点では様子を見ながら先へ進むことにした。

道は両側に崖の迫った沢を登っていく。こういう地形はゴルジュと言うのだそうだ。
前回来たときは、もう少し歩きやすかったような気がするなと思いながら歩いていて、ふと気づいた。

もしかして、沢沿いの道だから、台風とか大雨の後は岩の配置とか変わっているのかもしれない。

前回来てから7年も経っているし、その間に関東で大雨を降らせた2019年の台風も通っているから、岩が流されたりして、道も変わっていそうな気がする。

4.登頂をあきらめて引き返す

5歳児の靴が再び濡れないよう、気を使いながら登っていく。
子どもも岩登りは楽しいようで、両手両足を使って登っていく。
右と左の区別がまだやや怪しい年頃なので、「右手を少し上に」みたいな言葉で説明できないのが大変だった。とは言え、このルートの岩は大体がせいぜい大人の背丈ほどの高さなので、子どもが落ちてこないよう下に立ったまま、手で直接場所を示すこともできる。

沢の核心部を越えたところで昼食にする。

振り返ると、新緑がまぶしい。

ここで5歳児に聞くと、もう帰りたいと言う。びしょびしょの靴でここまでよく頑張ったと思う。
少し名残惜しいけれど、頂上には行かず、引き返すことにした。

5.今回の反省点

今回よく分かったのは、沢沿いの道を行くときは防水性のある靴を履くこと!

子どもはすぐ足が大きくなるから、小さいうちは普通の運動靴で山に行くことが多いと思うけれど、このルートのように沢を渡渉する個所がある場合は、やっぱり防水性のある靴を買ってから行くべきだし、運動靴で行くならこういうルートは避けた方が良いと思った。

この後、今回ポチャンした5歳児に、「また山へ行こう」と話をすると、「濡れない靴が欲しい」とか「乾いたところがいい」と言っている。
「いやだ」と言わないところが、親としては嬉しい。