山百合が咲いていたころ写真を撮っていて、たまたま花にとまったアシナガバチを一緒に撮った。
その少し前から、花壇をアシナガバチが飛んでいるのを見かけるようになって、検索してみると、アシナガバチは芋虫を食べてくれるらしく、それならばバラについた虫をぜひ食べてくれ、と、それくらいの気持ちで飛んでいるアシナガバチをむしろ好ましい目で見ていた。
ところが、2週間ほど前、玄関横のシマトネリコの木が好き放題に伸び散らかっているのにいい加減耐えかね、枝を剪定しようとして、軒先まで一番長く伸びていた枝をおとしたところ、枝先にアシナガバチが3~4匹飛んでいる。
長い枝だったので、持っている枝の根元からは2メートルくらい枝先は離れている。
これはもしや、と思い、枝を持ったまま見てみると、やはり巣を作り始めていた。
時々やってきて芋虫を食べてくれるだけならありがたいけれど、玄関先に巣を作られるとさすがに怖い。
(人間、勝手なものだ。)
どう処理していいのか分からなかったので、巣のついた枝先は駐車場の家から比較的離れたところにとりあえず寄せておいた。
アシナガバチたちは名残惜しそうに元巣を作っていた辺りを飛んでいる。
また同じところに巣を作られても困るので、どうしようかと思い、効くかどうかは分からないけれど、家にあった蚊取り線香をその下の方で焚いておいた。
翌朝、見てみると、落とした巣の周りにはもう蜂はいない。落ちた巣はもう使わないようだ。
巣の中には小さい白い丸いものが部屋ごとに1つずつあった。卵なのだろうか。
裏返してみると、蜂の巣は本物の木から枝分かれした枝のようにしてついている。
巣の根元の部分は案外細い。
蚊取り線香を焚いていた辺りからも、アシナガバチはとりあえず離れてくれたようで一安心した。
*
ところが、その1週間後、バラの周りを飛んでいるアシナガバチを目で追いかけていると、今度はバラの茂みの中に巣を作られていた。
バラを植えているのも駐車場の車のすぐ隣。ここもやはり巣を作ってほしくはない。
今度は近所のホームセンターに行き、スズメバチ用の殺虫スプレーを買ってきて、噴射した。
スプレーを噴射すると、巣にいたアシナガバチ1匹は大慌てでどこかへ飛んで行った。もしかしたら苦しんで逃げたのかもしれない。
それから1週間、とりあえず生い茂っているバラの枝を剪定し、見通せるようにしようとしていたところ、今度は1匹のアシナガバチが、隣家の目隠しフェンスの隙間に入っていくのが見えた。
巣を作っているのかどうかは定かではない。
アシナガバチにしてみたら、食事が近くでできる場所に巣を作りたいという気持ちはよく分かる。職住近接というやつだ。
バラにたくさん芋虫がついているならば、その近くに巣を作りたくもなるだろう。
けれど、人がよく通る場所の近くはやめて欲しい。と言っても言葉が通じる訳はないが…。
フェンスの隙間に巣を作らないか、それがとりあえずは心配だ。
アシナガバチとの駆け引きは、まだ続きそうだ。