雲中午睡庵

小さな庭いじりや子連れ山登りなど写真を添えて

【子連れ登山記8】特急ラビューに乗って初夏の伊豆ヶ岳

小1の子どもが以前、図鑑に付いてきたDVDを見て西武線の特急ラビューに乗ってみたいと話していた。
そこで「ラビューに乗って山へ行かない?」と誘ってみると、乗り気になったので、連れ出した。目指すは、西武線から登りやすい奥武蔵の伊豆ヶ岳。

【データ】
<日付>2023年6月上旬
<ルート>正丸駅-伊豆ヶ岳-正丸駅
<所要時間>登り2時間45分、下り2時間(標準コースタイムよりもかなりゆっくり)
<メンバー>小学1年生男子と自分
<その他>頂上直下の鎖場(男坂)は通行不可。女坂ルートも途中から迂回路になるが、この登りが急ですべりやすいので、未就学児だと厳しいかもしれない。

1.ラビューに乗って正丸駅

まずは池袋駅からラビューに乗る。銀色の車体に大きな窓、黄色い座席のかっこいい電車だ。黄色と銀の組み合わせは、もしかしたら昔からの西武線の色を受け継いでいるのかもしれない。
乗車前に子どもとラビューの写真を撮る。
(ラビュー単独の写真を撮っておけば良かったのだけど、つい子どもと一緒の写真ばかり撮ってしまった。)

日曜日朝の下りのラビューは空いている。途中の所沢ですれ違ったラビューにはたくさん人が乗っていたから、西武線の特急は観光と言うよりも通勤や都心へ出かける際に乗る人が多いのだろう。

池袋を出て、所沢、入間市に止まるだけ、快適に3駅で飯能に到着する。

飯能からは西武秩父線の各駅停車で正丸駅へ向かう。

電車は山合いを右へ左へ曲がりながら進み、無人駅の正丸駅に到着。駅前は大きな広場があり、食事処のような建物もあるが、今はやっていないようだ。

2.山里を歩く

正丸駅から線路に沿った急な階段を下り、線路をくぐる。しばらく沢沿いに山里の道を行く。

天気はよく晴れていて、道路の横の沢にさし込む光がキラキラしている。

軽トラで作業をしている人に、こんにちはと声をかけながら進む。
道端にアジサイやマーガレットのような花も咲いていて、この辺りは、人の生活の息吹きを感じる。

3.森を登って山頂へ

子どもの足でゆっくりと、駅から40分ほどで登山道の入口に着いた。登山道の入口には大きな岩と、その横に馬頭観音がある。

登山道は森の中。はじめは沢沿いに進む。

杉木立に覆われた、やや暗い森。小さな滝がいくつも連なる。

30分ほど歩くと、沢を離れ、右側に斜面を登る。

時々、登山道の横に、大きな岩が現れる。山頂付近にあった自然案内の看板に、伊豆ヶ岳はチャートの山だと書いてあったので、この辺りの岩もチャートなのかもしれない。

登りの斜面は落葉樹の雑木で、森が少し明るくなり、鳥の鳴き声も聞こえるようになった。

それに合わせて、小1の子どもは「チョピピー、チョピピー」と呼びかける。「僕に合わせて鳥が鳴いているよ」と話す声が弾む。

ひと際大きな亀岩が見えると稜線は近い。岩の根元は雨宿りができそうだ。

沢沿いの道から30分ほどの登りで稜線に出る。稜線に出てからも、明るい森だったり、

杉木立の中だったりを進む。

稜線に出てから30分ほどで五輪山に着く。五輪山はちょっとした広場になっていて、ベンチもあり、休むのに丁度いい。

五輪山を過ぎると、いよいよ伊豆ヶ岳の山頂が近づく。伊豆ヶ岳の山頂直下は、かつて男坂と女坂の2ルートがあって、男坂は鎖場の登りだった。今は落石が激しいらしく、男坂は通れない。女坂も崩落したらしく、途中から別ルートになっている。

その山頂直下の道が、急で滑りやすかった。1年生のうちの子は歩きづらそうに何とか登ったけれど、もう少し小さい子だと大変かもしれない。
5~6歳くらいになってからが良さそうだ。

そうして登りついた山頂も、周りは木に覆われていて展望は効かない。

けれども、休憩するには十分なスペースがあって、丁度お昼時、多い時で30人くらいいただろうか、思い思いに昼食を楽しんでいた。

ちょっと頑張れば登れそうな岩もあって、そういうのが好きな人は登って楽しむのもいいかもしれない。

下山は登ってきた道を、そのまま正丸駅に引き返した。

PENTAX K-1 Mark II, smc FA 43mm F1.9 Limited, f/2.8, -2.0EV : 切り株に生える苔