赤城山と言うと最高峰の黒檜山に目が行きがちだけれど、大沼・小沼の2つの火口湖の周りにはいくつもピークが囲んでいる。特に小沼は周囲に建物がなく、広い砂浜もあり、より自然な雰囲気を感じられる。
赤城山は車でかなり高くまで登れるので少し歩けば着けるピークがたくさんある。そんな山の一つ長七郎山に小学1年生の男子と登ってきた。
【データ】
<日付>2023年6月中旬
<ルート・所要時間>小沼駐車場(25分)小地蔵岳(25分)長七郎山(55分)小沼の砂浜(15分)小沼駐車場
(※長七郎山からの下りは小学生の団体の後ろを歩いたためかなりゆっくり)
<メンバー>小学1年生男子と自分
<その他>長時間歩ければ未就学児でも大丈夫だと思う
1.新緑のなだらかな道を小地蔵岳へ
今回の山登りのスタートは赤城山の小沼駐車場。ここで標高はすでに1500m近い。今回登る長七郎山は1578.9mだから、標高差100mほどの楽な登山だ。
駐車場から道路を渡り、真っすぐ小沼に向かう道ではなく、左にまずは小地蔵岳を目指す。
歩き始めてすぐ、左手に森が伐られて赤城山のもう1つの沼・大沼が見える場所があった。
大沼の向こうには上州武尊山、その左には上越国境の山並みがまだ雪をかぶって白く見える。
なだらかな道を行くとエゾハルゼミやウグイスの声が明るい広葉樹の森を包む。
北海道に住んでいた頃、5月や6月の初夏、山に行くと森中に大きな鳴き声が聞こえていた。最初、それが何の鳴き声なのか、虫なのか蛙なのかも分からなかったけれど、やがてエゾハルゼミなのだと知った。
エゾハルゼミは名前にエゾとつくけれど本州にもいて、関東でも初夏、北関東の標高の高い場所に行くと、エゾハルゼミの合唱を聞くことができる。
エゾハルゼミの鳴き声は、僕の中で初夏の清々しい緑のイメージと結びついていて、この時期になると聞きに出かけたくなる。
長七郎山に向かうルートを少し外れて、小地蔵岳に立ち寄った。
山頂の表示は小さな看板が木に結んであるだけ。手書きの文字は、何だか楽し気な字体だ。
2.長七郎山へ明るい森歩きは続く
分岐に少し戻り、長七郎山へ向かう。
途中1ヶ所、森の切れ目から、皇海山から日光白根山に向かう山並みが見えた。
なだらかな道をのんびりと、気になるものの写真を撮りながら行く。
長七郎山の手前は少し登るけれど、大した登りではない。
頂上近くをタカなのかトンビなのか、見分けはつかないが、猛禽類が2羽、ぐるぐると飛んでいた。
長七郎山は南と西が開けている。天気が良ければ関東平野が見渡せそうだけれど、残念ながら曇ってしまい、麓の町しか見えない。
長七郎山の頂上は木がなく景色が開けて広い。晴れると暑そうだけれど、曇っていて丁度良い。ここで持ってきたおにぎりを食べた。
3.小沼に遊ぶ
長七郎山で昼ご飯を食べていると、100人以上いそうな小学生の集団が登ってきて追い越された。標高差も小さいし、山頂も広い長七郎山はこんな集団登山にもたしかに向いている。誰でも受け入れてくれる山だと思う。
長七郎山からの下山は、子どもたち集団の後ろにつかず離れず、ゆっくり下った。
小沼の畔はドウダンツツジがたくさん咲いていた。
そして、エゾハルゼミの鳴き声も、山を歩いている時より近くに感じる。
特に近くに聞こえた場所で探してみると、いた。
鹿の食害除けのネットにとまっているエゾハルゼミを見つけた。
小沼を半周ほどして砂浜に到着。
ザックを下ろして砂浜で一休みする。
ここで小1の子どもは石を投げたり、浜近くを泳ぐオタマジャクシを追いかけたりして遊んでいた。
この後、小沼からも見える山頂にアンテナの並んだ地蔵岳を往復してくる予定でいたのだけれど、目に見えて歩くペースの落ちた子どもの様子を見て断念。そのまま駐車場に戻り帰宅した。
この日の子どもの宿題の絵日記には、僕と子どもが笑っている絵、そしておたまじゃくしの絵が描いてあった。