春から夏は、夜が短くて雲が多いので、なんとなく例年、星を見に行く機会が少なくなる。そんな中、数少ない機会になっているのが、泊りで山に登った時の星空で、今年は北アルプスの薬師岳・五色ヶ原を縦走した際、星空を楽しむことができた。
登山のことを書いた時に使った写真と似たような写真が多いけれど、山の上で見た星空を振り返ってみたい。
山登りの初日、太郎平小屋の近くで見た夏の天の川。
少し明るく写していた写真があったので、それを調整して草原を明るくしてみた。
普段、関東地方周辺で星の写真を撮ると、地平線近くが街灯りで明るくなってしまうことが多いのだけど、山の上で撮った写真はかなり低い所まで空が暗くて驚いた。
この写真は太郎平からほぼ真南を写しているのだけれど、後日地図を見てみると、真南は中津川までほとんど街らしい街が無い。高山も少し西に位置しているから、空も暗いはずだ。
この写真だけ見ると、晴れた空に天の川が大きく立ち上がっているように見えるけれど、実はこの時晴れていたのは丁度この天の川の辺りだけで、周りは雲がかかっていた。
天の川の一番明るい所が丁度晴れてくれたのだから、幸運だった。
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その後2日目と3日目の夜は曇り。再び星を見られたのは4日目の五色ヶ原の朝だった。
東の空が明るくなり始めた時間帯。
明け方のオリオンは、夏の終わりを感じさせて、いつも少しだけ寂しい。
冬の淡い天の川も、朝の光にかき消されつつ、うっすらと写っている。
太陽が登る紅くなった空の辺りから、冬の天の川と交差するように光が伸びているように見えて、もしかしてこれが黄道光というやつだろうか。
少し向きを変えて北側の空。
五色ヶ原から見る山はこの北側の獅子岳、鬼岳、龍王岳方面がきれいだと思うのだけれど、残念ながら目立つ星が少し離れていた。
右下に写っているのはふたご座も、右上のぎょしゃ座も少し離れている。
西の空は白鳥座が沈もうとしていた。
白鳥座のしっぽと、秋の天の川、カシオペア座とアンドロメダ銀河が入るように写真を撮ってみた。
秋の天の川が写っているけれど、1枚目の写真の夏の天の川と比べると、やっぱり夏の天の川は明るいなと思う。
山登りも星を見に行くのも、もっとたくさんできればいいなと思うのだけれど、子育てがもう少し落ち着いたら行けるようになるのだろうか…。